飯吉 透
ニュースレター:AI時代に学ぶ―飯吉透のオープンエデュケーション論
京都大学学術情報メディアセンター教授。専門は教育工学、オープンエデュケーション。AI時代の学びや高等教育のあり方を考える。
プロフィール詳細
経歴
京都大学学術情報メディアセンター教授。京都大学大学院教育学研究科教授(兼任)。国際基督教大学・同大学院(教育工学)、フロリダ州立大学大学院博士課程修了。Ph.D.(教授システム学)。カーネギー財団上級研究員・同知識メディア研究所所長、東京大学大学院情報学環客員教授、マサチューセッツ工科大学教育イノベーション・テクノロジー局シニアストラテジストなどを経て、20年近くの在米生活の後、2012年に帰国・京都大学に着任。高等教育研究開発推進センター長(2014–2022)・教授(2012–2022)、京都大学教育担当理事補(2015–2020)を経て現職。
国内外でテクノロジーを利用した高等教育の進展・イノベーションに関するビジョン策定・研究開発・啓蒙活動に従事。世界経済フォーラムグローバル・アジェンダ評議会委員(「テクノロジーと教育」部門)、NHK日本賞審査委員などを歴任。文部科学省中央教育審議会大学分科会質保証システム部会委員、日本学術振興会卓越大学院プログラム審査・評価部会委員、日本学術振興会大学世界展開力強化事業プログラム委員会委員、文部科学省デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン事業委員会委員、日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)理事、CIEC(コンピュータ利用教育学会)会長理事、日本マイクロクレデンシャル機構副理事長等も務める。
専門領域
教育工学
注目の著書
主な受賞歴・活動
アメリカ教育工学コミュニケーション学会より、最優秀開発実践賞ならびにロバート・ガニエ教育研究奨励賞を受賞。
ニュースレター:AI時代に学ぶ――飯吉透のオープンエデュケーション論
配信内容
現在、京都大学で高等教育における教育イノベーション、オープンエデュケーション、教育工学に取り組んでいます。
このAI時代に、テクノロジーを活用して学びの環境をより多様に設計できること、そして人々の知的好奇心を刺激し、思考や理解の力を伸ばしていけることに大きな可能性を感じています。
このニュースレターでは、より自由でオープンな教育と学びの可能性を一緒に探り、切り拓いていければと楽しみにしています。
配信予定
週1本程度
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高等教育1.0から2.0へ――学びと教えのイノベーションを展望する(11)
現在、技術革新の加速、働き方の多様化、社会課題の複雑化により、従来の4年間完結型の大学教育モデル(高等教育1.0)は機能不全に陥りつつあります。AI、オープン教育リソースなどの技術を活用し、学習者のニーズに応じて「いつでも、どこでも、必要な分だけ」学べる分散型システム(高等教育2.0)への根本的転換が求められています。 目次 * 従来の高等教育モデル(1.0)
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情報・デジタル
サプライ・プッシュからデマンド・プルへ――学びと教えのイノベーションを展望する(10)
各産業で供給者主導から顧客主導への転換が進む中、教育分野でも画一的な知識供給型から、学習者ニーズに基づくオンデマンド学習への変革が求められています。人生100年時代において、すべての人が必要に応じて学び続けられる教育システムの構築が急務です。 目次 * なぜ、いまパラダイム転換が必要なのか * 各産業での変化 * 教育分野への波及と必要性 * 生涯学習社会との関連性 なぜ、いまパラダイム転換が必要なのか 21世紀の世界は二つの変化を大きく進めてきました。一つは経済・文化・情報のグローバル化、もう一つは情報技術の発達によるフラット化です。これらにより、地理的距離や組織的境界などを越えて、世界中の人々が直接つながることができる状況になりました。 この二つの変化は、
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工業化時代の教育からの脱却――学びと教えのイノベーションを展望する(9)
21世紀の今、日本の教育システムは岐路に立っています。工業化時代に設計された画一的な教育モデルを使い続けるならば、個性と多様性が求められる現代社会に対応できません。AI技術が急速に発展する中、私たちはどのような教育の未来を描けばよいのでしょうか。「「炊飯器」に学ぶ技術と本質」に続く第8回。 目次 * 教育界が直面する課題 * 教育システムにおける技術の活用 * 技術導入の本当の目的は何か 教育界が直面する課題 昔から人間社会において教育は必要不可欠でした。私たちは知識や技術を世代を越えて継承することで、現在の豊かな社会を築いてきました。しかし、21世紀に入り、社会の変化のスピードが加速する中で、現行の教育システムが時代に取り残されつつあるという状況が生まれています。 とくに日本の学校教育が直面している課題の多くは、
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「炊飯器」に学ぶ技術と本質――学びと教えのイノベーションを展望する(8)
教育におけるベストミックスとは、単に最新技術を導入することではありません。本当のベストミックスとは何か。その答えは、意外にも炊飯器の進化に隠されています。かまどから電気炊飯器へ、そして高機能な現代の炊飯器へ――この進化の過程に、「新しい技術」と「変わらない価値」を融合させる知恵が凝縮されています。「AI 時代のベストミックスという発想」に続く第8回。 目次 * 教育における「ベストミックス」の性質 * 炊飯器が辿った進化の道のり * 炊飯器の進化から学ぶ三つの教訓
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AI 時代のベストミックスという発想――学びと教えのイノベーションを展望する(7)
デジタル革命による技術と教育の変化は、電子化(E)、オープン共有(O)、つながり(C)の時代を経て、2020年代には学習者一人ひとりにおける最適化を特徴とする「Pの時代」を迎えました。しかし、AIやXRなど多様な教育手法が利用可能になった今、「何を選び、どう組み合わせるべきか」という新たな課題が浮上し、さらに次の時代に向かいつつあります。「E・O・Cで読み解く30年の軌跡」に続く第7回。
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E・O・Cで読み解く30年の軌跡――学びと教えのイノベーションを展望する(6)
1990年代以降、デジタル革命の波が到来。90年代、2000年代、2010年代——それぞれの10年を技術と教育の特徴からどう捉えるか。「E・O・C」という3つの頭文字で読み解いていきます。「技術は予測できても、使い方は時代しだい?」に続く第6回。 目次 * 時代を象徴するキーワードの頭文字 * 1990年代「Eの時代」——アナログからデジタルへ * 2000年代「Oの時代」——開放と共有の精神 * 2010年代「
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技術は予測できても、使い方は時代しだい?――学びと教えのイノベーションを展望する(5)
1940年代、米国では汎用デジタルコンピュータであるエニアックが誕生し、ウェブのブラウザのようなメメックスが構想されていました。昭和時代、日本でも技術と教育に関するユーモラスな絵が描かれたりします。今回は、時代の価値観が技術受容に与える影響の可能性を考えてみます。「25ドルでほぼ全員の成績が上昇、技術革新とは違う視点」につづく第5回。 目次 * デジタルコンピュータの黎明期 * 「コンピューター学校出現!!」 * 文化的価値観と技術受容 デジタルコンピュータの黎明期 1945年に米国で世界初の汎用デジタルコンピュータであるエニアック(ENIAC)が誕生しました。第二次世界大戦中から軍事目的、主に大砲の弾道計算のために開発が進められたことは有名な話です。 エニアックは約18,000本の真空管を使用し、
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25ドルでほぼ全員の成績が上昇、技術革新とは違う視点――学びと教えのイノベーションを展望する(4)
最新ICT機器を導入しても、必ずしも学力向上につながるとは限らない――米国で行われた「25ドル報酬」実験は興味深い結果を示しました。そこから分かるのは、技術革新だけでなく、学習者の動機を変えることも同じように重要だということです。第3回「やる気のある学生だけに役に立つ教育メディア?」に続く第4回。 目次 * ICTへの期待と現実ギャップ * 教育の文明と文化 * 教育イノベーションをめぐって ICTへの期待と現実ギャップ ICT(情報通信技術)活用教育というと、どうしてもその時々の華々しい最新の機器やツールが思い浮かびます。 ところが、それらを使えば必ず学力が伸びるかというと、
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やる気のある学生だけに役に立つ?――学びと教えのイノベーションを展望する(3)
テクノロジーを使った「主体的な学び」は、本当にすべての人に恩恵をもたらすのか――。1990年代のハイパーメディア教材の研究で明らかになったのは、自律的な学習環境が、やる気や学力のある学生には効果的だった一方、そうでない学生との格差を広げる可能性があるということでした。このジレンマは、GIGAスクール構想が進む今も、未解決の課題として残されています。第2回「格差は突然やってくる! ヤァ!ヤァ!ヤァ!」につづく第3回。 目次 * 「文京文学館」プロジェクトの背景 * 主体的学習は格差を拡大する? 「文京文学館」
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格差は突然やってくる! ヤァ!ヤァ!ヤァ!――学びと教えのイノベーションを展望する(2)
コロナ禍を契機に、オンライン教育が普及し、新しい学び方が根づきました。しかし一方で、デジタル環境の整備状況や各家庭の経済状況が、教育の格差を顕在化しています。今回は日本と米国の事例を通じて、教育格差の実態を明らかにし、その課題を乗り越えるためのヒントを探ります。第1回「格差を乗り越える仕組み」につづく第2回。 目次 * コロナ禍で浮き彫りになった新たな格差 * データが示す教育機会の格差――日本の事例から * 「格差」か「選択肢」か―
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格差を乗り越える仕組み――学びと教えのイノベーションを展望する(1)
この数十年の間に、生成AIを含めて新しいテクノロジーが次々と登場し、さまざまな教育の場で使われるようになってきました。 このような時代には、たんにテクノロジーを教育現場に取り入れるだけでは十分でありません。個人や社会が直面している多様な課題、とりわけ環境の違いによる学習・教育の格差に向き合い、テクノロジーと方法を上手く組み合わせながら、その格差を乗り越えていくことが求められています。 世界と日本における学習・教育の格差の現状を見つつ、これまでのコンピュータを使った歴史も踏まえたうえで、私たちは未来に向けてどう取り組んでいけばよいか。 「学びと教えのイノベーションを展望する」という連載では、この問いに対する重要なポイントについて考えていきます。(編集部) 目次 * オープンエデュケーションという考え方の提唱 * 学生の視点から見た格差の変化 * 「自分しだい」
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ニュースレター開始のごあいさつ
皆さん、初めまして。飯吉透と申します。現在、京都大学で特に高等教育における教育イノベーション、オープンエデュケーション、教育工学に取り組んでいます。今回は自己紹介ということで、これまで自分の歩みと今後このニュースレターで発信していきたい思いなどをお伝えできればと思います。 私は日本の大学・大学院で教育工学を学んだ後、アメリカへ渡って教授システム学(Instructional Systems)の博士号を取得しました。その後もアメリカに留まり教育研究財団や大学などで働いた後、約15年前に日本に帰国しました。 私は学生時代から今に至るまで、新しいテクノロジーを活用して人がどのように学び、どのような教育・学習環境によってより自由でオープンな学びを支えることができるのかに興味を持ってきました。とりわけ、
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